訪問介護事業所の事務所は、電話が鳴りやまない場所です。
ケアマネジャーからの新規依頼、ご家族からの「今日は行けますか」という確認、ヘルパーからの当日欠勤の連絡、そして採用の応募。すべてが同じ1本の電話番号に集まってきます。サービス提供責任者が現場に出ている時間帯は取りきれず、留守電を折り返すところから一日が始まる——そんな事業所は珍しくありません。
さらに、こうした課題も重なります。
- 問い合わせの内容が毎回ほとんど同じ(対応エリア、料金、対応できる時間帯、身体介護と生活援助の違い)
- ご家族に日々の様子を伝えたいが、その時間がない
- ヘルパーの募集をかけても応募の電話がかかってこない
- ケアマネジャーへの空き状況の共有がその都度の電話とFAX
この記事では、訪問介護事業所・ヘルパーステーションがLINE公式アカウントで相談受付・ご家族連絡・採用応募を仕組み化し、事務所の電話を減らしながら、選ばれる事業所になる方法を紹介します。
なお、この記事で扱うのは問い合わせ・広報・採用・ご家族への一般連絡の範囲です。介護記録や個人の心身の状態などの機微な情報の扱いについては、記事の後半で必ず守るべき点をまとめています。
訪問介護事業所がつまずきやすいこと
- 電話が新規相談・家族連絡・シフト連絡・採用で混ざり、優先順位がつけられない
- サ責(サービス提供責任者)が訪問に出ている時間は事務所が実質不在になる
- 「対応エリアですか」「いくらですか」といった同じ質問への説明を、毎日口頭で繰り返している
- ご家族が遠方にいて、日々の様子を伝えられていない(不安が苦情に変わる)
- ケアマネジャーに受け入れ可能な曜日・時間帯を伝えるタイミングが遅れ、他事業所に決まる
- ヘルパーの採用が最大の経営課題なのに、応募の入口が電話しかない
- 事業所の情報を発信する手段がなく、地域に知られていない
- 介護保険制度の改定や料金改定の連絡を、利用者・家族全員に確実に届けられない
なぜ訪問介護にLINEが向いているのか
- 相談してくるご家族の多くは働いている世代で、日中に電話をかけられない。夜に確認できるLINEが合っている
- ケアマネジャーは同時に複数の事業所へ打診する。返事が早い事業所から埋まるため、24時間受けられることが直接の受注差になる
- 問い合わせ内容が定型的なので、自動応答で答えられる範囲が広い
- ご家族への「今日も無事に伺いました」の一言は、電話より圧倒的に短時間で送れる
- 介護職の求職者もLINE世代。電話が要らない応募導線があるだけで応募数が変わる
- 制度改定・料金改定・年末年始の体制などの全員に伝える連絡を、一斉配信で確実に届けられる
- 相談から契約まで、見学 → 面談 → 契約という「日時を決める用事」が続くので予約機能が効く
エルたすでできること(訪問介護の使い方)
エルたすを使うと、事務所の電話に集中していた業務を次のように振り分けられます。
| やりたいこと | エルたすの機能 | 使い方 |
|---|---|---|
| 相談を24時間受けたい | フォーム・自動応答 | ご家族・ケアマネからの相談を、夜間・休日も受け付ける |
| 見学・面談の予約を受けたい | 予約管理 | 相談面談・初回訪問の枠を24時間受付。ご家族はログイン不要 |
| よくある質問に答えたい | 自動応答 | 「対応エリア」「料金の目安」「対応時間帯」「身体介護と生活援助の違い」「即日対応の可否」に24時間自動返信 |
| 面談を忘れられたくない | 予約リマインダ | 前日・当日に日時と場所、用意する書類(保険証・介護保険証)を自動お知らせ |
| ご家族に定期連絡したい | 個別トーク | 訪問後の一言連絡を短時間で。電話がつながらない時間帯でも届く |
| 相手ごとに案内を変えたい | タグ・セグメント配信 | ご利用者家族/ケアマネ/求職者/地域の方で出し分け |
| 制度改定を全員に伝えたい | メッセージ配信 | 料金改定・年末年始の体制・感染症流行時の対応を一斉配信 |
| 採用の応募を受けたい | フォーム | 希望勤務日・資格・経験を入力してもらい、電話なしで応募を受け付ける |
| 求職者を口説きたい | ステップ配信 | 応募後〜面接までの間に、職場の雰囲気・1日の流れ・待遇を自動配信 |
| メニューを常設したい | リッチメニュー | 相談する・料金の目安・対応エリア・見学予約・採用情報を常時表示 |
| 何が読まれているか知りたい | 分析 | 配信のクリック数・流入経路を計測して、次の発信に反映 |
| 文章を書く時間がない | AIビルダー | 案内文・採用募集文の下書きをAIが自動生成 |
「返事の速さ」がそのまま受注になる
訪問介護の新規依頼は、ケアマネジャーが複数の事業所に同時に打診するのが普通です。そして多くの場合、最初に「その曜日、行けます」と返した事業所に決まります。
だから、事務所が無人になる時間帯の打診を取りこぼすのは、そのまま失注です。
- 自動応答で「対応エリア・受け入れ可能な曜日と時間帯・ご相談の流れ」を即座に返す
- 詳細の相談はフォームで受け、必要事項(要介護度・希望曜日・希望時間・住所エリア・主なニーズ)を先に受け取る
- 戻ったサ責は、必要な情報が揃った状態から折り返せる
「折り返して、状況を聞いて、社内で調整して、また折り返す」という3往復が1往復になります。
具体的な活用シナリオ
① ご家族からの相談 → 契約まで
| タイミング | 送る内容 | ねらい |
|---|---|---|
| 友だち追加直後 | あいさつ+サービス内容と対応エリアの案内 | 何ができる事業所か最初に伝える |
| 相談受付時 | 相談フォームの案内+面談予約のリンク | 必要事項を先にもらう |
| 面談前日 | 日時・場所・用意する書類(介護保険証など)の案内 | 当日を滞りなく進める |
| 面談後 | ご検討ありがとうございますの一言+サービスの流れの資料 | 検討中の不安を減らす |
| 契約後 | 初回訪問の日時、担当者の紹介、緊急時の連絡方法 | 開始前の不安を解消する |
| 開始1か月後 | ご様子うかがい+困りごとの受付 | 早いうちに小さな不満を拾う |
② ご利用者のご家族への定期連絡
遠方に住むご家族にとって、「今日はどうだったか」が分からない時間がいちばん不安です。そしてこの不安が、後から苦情や事業所変更につながります。
| タイミング | 送る内容 |
|---|---|
| 訪問後(必要に応じて) | 「本日◯時に伺いました。お変わりありませんでした」の短い一言 |
| 月1回 | 今月のご様子のまとめ、季節に応じた注意点(熱中症、感染症、転倒) |
| 制度改定時 | 介護報酬改定・自己負担の変更のお知らせ |
| 年末年始・大型連休前 | 期間中の体制と緊急時の連絡先 |
| 台風・大雪・感染症流行時 | 訪問体制の変更、代替対応のお知らせ |
「本日伺いました」の一言だけでも、ご家族の安心感は大きく変わります。ただし、身体の状態・服薬・診断名など機微な情報はLINEに書かないでください。詳しい報告は、記録システムや電話・面談で行うのが原則です(詳しくは後述)。
③ ヘルパー採用
訪問介護の最大の課題は、多くの事業所で利用者獲得ではなく人材確保です。求人媒体に出しても電話が鳴らないのは、求職者が電話をかけたがらないからでもあります。
| タイミング | 送る内容 | ねらい |
|---|---|---|
| 友だち追加直後 | 募集職種・勤務条件・応募フォーム | 電話なしで応募できる導線をつくる |
| 応募直後 | 受付のお礼+面接候補日の提示 | 反応の速さで安心してもらう |
| 面接前日 | 日時・場所・持ち物・アクセス | 当日欠席を減らす |
| 面接後 | 結果連絡の目安、質問の受付 | 待たせて不安にさせない |
| 検討中の人へ | 職場の1日の流れ、先輩スタッフの声、直行直帰・シフトの柔軟さ | 迷っている人の背中を押す |
| 入職決定後 | 初日の流れ、持ち物、研修の予定 | 入職前の辞退を防ぐ |
求人票では伝わらないこと(未経験の受け入れ体制、1日何件回るのか、移動手段、シフトの融通)を、応募後のステップ配信で丁寧に伝えると、面接に来る人が増えます。
タグの付け方の例
訪問介護のLINEにはまったく立場の違う人が集まります。タグで分けないと、家族向けの案内が求職者に届くことになります。
| タグ | 配信するとき |
|---|---|
| ご利用者家族 | 体制のお知らせ、制度改定、季節の注意点 |
| 検討中(相談のみ) | サービスの流れ、料金の目安、見学のご案内 |
| ケアマネジャー | 受け入れ可能な曜日・時間帯、対応可能なサービスの更新 |
| 求職者(応募前) | 募集条件、職場の雰囲気、説明会のお知らせ |
| 求職者(応募済み) | 面接日程、選考の流れ |
| 在籍スタッフ | 全体連絡、研修案内(※個人の勤務調整は業務システムで) |
| 対応エリア別 | 地域ごとの体制変更・災害時の対応 |
| 併設サービス利用者 | デイサービス・福祉用具など他サービスの案内 |
ケアマネジャータグはとくに効きます。月に1回、「今月の受け入れ可能な曜日と時間帯」を配信するだけで、思い出してもらえる回数が確実に増えます。
表現と情報の扱いで気をつけること
介護は制度に基づくサービスであり、個人の心身に関する情報を扱う仕事です。次の点は必ず守ってください。
個人情報の扱い
- 心身の状態・診断名・服薬・介護記録などの要配慮個人情報をLINEでやり取りしない。「本日◯時に訪問しました」といった事実連絡にとどめる
- ご家族へのLINE連絡を始めるときは、利用者ご本人(または代理人)の同意を書面で取る。同意の範囲(誰に、何を、どの方法で伝えるか)も明記する
- スタッフの個人スマホでの利用者・家族とのやり取りは行わない。事業所のアカウントに一本化する
- 担当者が退職・交代したときに、アカウントの権限を確実に切り替える運用を決めておく
- 写真を配信に使うときは、必ず本人・家族の許可を取る。他の利用者の写り込みにも注意する
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- 料金は介護保険の自己負担割合(1〜3割)によって変わるため、「◯円」と単一の金額だけを示さない。目安であること、負担割合で変わることを明記する
- 保険外サービス(自費サービス)は、保険適用サービスと明確に区別して表示する
- 「必ず改善します」「絶対に安心です」など、効果や結果を保証する表現は使わない
- 医療的な効果をうたう表現は避け、診断・治療については医師への相談を促す
- 指定を受けている事業所名・事業所番号・所在地・対応地域を正確に表示する
- 採用の募集は、労働条件(賃金・勤務時間・就業場所・雇用形態)を明示する。職業安定法上、募集時の労働条件明示は必要です
まとめ
訪問介護事業所の電話が鳴りやまないのは、忙しい事業所だからではありません。すべての用件が同じ1本の電話に集まっているからです。新規相談、家族連絡、採用応募——それぞれ別の入口を用意すれば、事務所は静かになります。
そして訪問介護では、返事の速さがそのまま受注になり、こまめな連絡がそのまま信頼になり、応募のしやすさがそのまま人材確保になります。どれも、仕組みで解決できることです。
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まずは対応エリアと料金の目安の自動応答、ケアマネジャー向けの受け入れ状況の月1配信、そして電話不要の採用応募フォーム。この3つから始めれば、事務所の電話が減り、相談も応募も取りこぼさない事業所になります。